島牧村の地域維持関連の統計指標
島牧村は、ピーク時から人口の約8割を失い、財政力指数も0.08にとどまるなど、人口規模と財政基盤の両面で厳しい条件を抱えています。近年は、若年女性人口の減少率に若干の改善が見られるものの、地域の維持には多くの課題が残っています。
| 項目 | 数値・詳細 / 出典 |
|---|---|
| 自治体名 | 北海道島牧郡島牧村 |
| 財政力指数 |
0.08(2021~2023年平均)
統計値は(※1)を参照
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| 人口推移 |
ピーク:5,588人(1955年)
→ 最新:1,246人(2025年) 最新の統計値は(※2)を参照
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| 年齢3区分別構成比 |
15歳未満:7.80%
15~64歳:47.67% 65歳以上(高齢化率):44.53% 統計値は(※2)から算出
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| 持続可能性区分 |
消滅可能性自治体
2050年 若年女性減少率:58.9% 統計値は(※3)を参照
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※1
総務省:令和6年度地方公共団体の主要財政指標一覧 -
※2
総務省:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和7年1月1日現在) -
※3
人口戦略会議:令和6年地方自治体『持続可能性』分析レポート
ニシン経済の終焉と内陸進出を阻む地形の壁|地形・歴史
北海道島牧郡島牧村は、道南最高峰の狩場山と日本海に抱かれた村です。村の集落は、海岸沿いのわずかな平坦地や千走川などの河川流域に連なり、内陸側への広がりは、背後に迫る急峻な山々によって阻まれてきました。かつてはニシン漁を中心とした海の恵みが、この狭い土地に暮らしを築く大きな原動力となり、人々の定住を支えていました。
しかし、1955年の人口ピークを境に、島牧村の人口は大きく減少していきます。背景には、漁業を取り巻く環境の変化と産業構造の転換があります。かつて海の恵みは、限られた土地に人を引き寄せる強い求心力でした。その支えが弱まった現在、海岸沿いに限られる居住地と背後に迫る急峻な山地は、人口維持を難しくする地形条件として重みを増しています。
海と山に挟まれた豊かな自然が生む産物|特産物・名所
後志地方の最南端に位置する島牧村は、古くから海の恵みと山の水に支えられ、自然の営みが産物の個性に結びついてきた村です。潮の流れが育てる海の幸、山々から届く清らかな水、冷涼な気候が重なり、島牧ならではの滋味ある産物を育んできました。
島牧村の主要地区・集落の人口動態
島牧村では、泊・本目・元町に人口が比較的集中する一方、歌島・栄浜・豊平などの小規模集落で減少率が大きくなっています。日本海と狩場山地に挟まれ、居住地が海岸沿いに限られる地形が、集落維持の負担を高めています。
| 地区名 | 10年前人口(平成22年) | 直近人口(令和2年) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 泊 | 363人 | 297人 | ▲18.18% |
| 本目 | 258人 | 207人 | ▲19.77% |
| 元町 | 245人 | 194人 | ▲20.82% |
| 豊浜 | 164人 | 118人 | ▲28.05% |
| 富浦 | 110人 | 85人 | ▲22.73% |
| 栄磯 | 108人 | 83人 | ▲23.15% |
| 原歌町 | 119人 | 81人 | ▲31.93% |
| 千走 | 87人 | 79人 | ▲9.20% |
| 永豊町 | 112人 | 76人 | ▲32.14% |
| 江の島 | 41人 | 34人 | ▲17.07% |
| 歌島 | 57人 | 28人 | ▲50.88% |
| 栄浜 | 50人 | 27人 | ▲46.00% |
| 港 | 40人 | 26人 | ▲35.00% |
| 豊平 | 27人 | 15人 | ▲44.44% |
※総務省統計局「国勢調査 小地域集計(平成22年・令和2年)」から作成。地区の分割・統合により単純比較できない場合があります。
地域資源の多角化と関係人口の創出|行政・移住
島牧村の基幹産業である漁業は、資源量の変動や魚価安、担い手不足といった課題に直面しています。村の計画でも、漁業資源の減少や後継者不足は重要な課題として位置づけられています。こうした中で、島牧沖では洋上風力発電の可能性調査も進められており、日本海の厳しい風況を新たな地域資源として捉え直す動きが見られます。
また、この地域の維持には定住人口だけでなく、村と継続的に関わる人を増やす視点も欠かせません。「国際あめますダービー」や「島牧さかなまつり」、「しままき秋の味祭り」などは、外部資本と人のネットワークを引き寄せるための接点です。地域産業を体験として伝えることで、村外の人が島牧を訪れ、継続的な関係を持つ機会を生み出しています。
自然の理に従順な地域運営を目指す村|総括
島牧村の歩みは、海の資源に支えられてきた村が、その条件の変化にどう向き合うかを示しています。かつてはニシン漁をはじめとする海の恵みが、狭い海岸部に人を引き寄せる力となっていました。しかし、資源や産業の前提が変われば、同じ地形は暮らしを支える土台であると同時に、地域維持の制約としても表れます。
これからの島牧村に求められるのは、人口規模の回復を前提にした発想ではなく、限られた人員と財源の中で、暮らし、産業、自然環境の均衡をどう保つかという視点です。山と海に挟まれた土地の条件を受け入れ、無理に広げず、残すものを見極めていくこと。それは、自然の理に従順な地域運営ともいえる現実的な選択であるはずです。


