島牧郡島牧村|波音と静寂が教える自然と共生していく地域の姿

項目 数値・詳細 / 出典
自治体名 北海道島牧郡島牧村
財政力指数
0.11
総務省「地方公共団体の主要財政指標(令和5年度決算)」
人口推移(ピーク vs 最新)
ピーク時:6,423人(1950年)→ 最新:1,235人(2025年12月末)
国勢調査 / 島牧村「住民基本台帳人口(令和7年12月末現在)」
社会増減(年間転出入差)
18人の転出超過
総務省「住民基本台帳人口移動報告(2024年結果)」
高齢化率
51.2%
島牧村「住民基本台帳に基づく年齢別人口統計(2025年1月1日時点)」
持続可能性区分
消滅可能性自治体(若年女性減少率:80.5%)
人口戦略会議「地方自治体持続可能性分析報告書(2024年)」

断崖と北限のブナ林が立ちはだかる居住境界|地形・歴史

北海道島牧群島牧村は、後志地方の南西端にある面積の約9割を森林が占めている地域です。海沿いは険しい断崖が続き、人が住める場所は河口付近のわずかな平坦地だけとなっています。狩場山などの火山群からは、炭酸水素塩泉「ドラゴンウォーター」や「賀老の滝」といった貴重な自然の財産が生まれました。アイヌ語の「岩の後ろ」を由来とするこの地は、かつてニシン漁が盛んで6,000人超もの人口でしたが、現在は5分の1以下に減少しています。村の保水機能を担う「北限のブナ原生林」は、同時に人が住めるエリアの限界線にもなっています。

鉄道の空白地帯が抱える長年の課題|交通情報

村内に鉄道駅はなく、最短のJR熱郛駅まで約25km、長万部駅まで約45kmを要します。公共交通はニセコバスと村営バスが担うものの、運行便数は限定的です。主幹線の国道229号は冬季の気象条件による通行規制を受けやすく、物流コストの増大を招いています。後志自動車道からも山を隔てた遠方に位置し、高次救急医療機関への搬送時間短縮などが、止まらない人口減少下で地域存続のための課題となっています。

村を存続させるための居住エリア集約|行政情報

「島牧村過疎地域持続的発展市町村計画」に基づき、現在は江ノ島地区への居住エリア集約を進めています。財政力指数「0.11」という厳しい状況下では、全域のインフラ維持は限界にあり、設備の修理や更新は主要地域を優先せざる得ません。ICTによる遠隔医療の試行も、担い手不足で効果は限定的です。災害リスクも考慮したこの計画は、単なる土地の放棄ではなく、これからも村を存続させるための責任ある選択といえるでしょう。

利便性を捨て島牧村に暮らすということ|移住情報

住宅助成等の施策は充実していますが、冬は2メートルを超す積雪への対応が日常的な負担となります。燃料費は全国平均より高く、寒冷地特有の暖房費が家計を圧迫してしまいます。光回線によりテレワークは可能ですが、買い物には隣町まで往復1時間を要します。主要な幹線道路や都市部から物理的に切り離された環境であり、自然の境界線上で生活を根本から組み直すことが、この地に暮らしていく上で必要です。

自然と共生して地域を存続させていく現実|総括

島牧村の統計は、日本各地がこれから迎える状況を先取りしています。かつての賑わいは消え、今は波の音と森の静けさが村を包んでいます。ここでの人口減少は、単なる衰退ではありません。人間がかつて自然から借りていた土地を、元の姿へ返していく過程といえます。拡大し続ける時代が終わり、自然とどう折り合いをつけて共生していくか。島牧村の風景は、そのリアルな姿を私たちに示してくれています。

※本記録は公的統計および調査時点の資料に基づき構成されており、現況との相違や情報の誤謬・不完全性を包含する場合があります。情報の利用により生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いません。詳細は 免責事項 をご確認ください。
タイトルとURLをコピーしました